プロアクティブ / グアム大学日本事務局

日本インテリアプランナー協会 (JIPA) レビュー

虎ノ門ヒルズをはじめとした敷地周辺の都市開発による国際的な人々の集まる街への変化を見越し、内部空間を街路へ大きく開き、街に向かって施設をアピールするデザインを行っている。道路側の2層吹抜けのエントランスホールは洞窟のようなヴォイド空間であり、2階の講義室や1階のコミュニケーションスペースとオフィスなどの人々の動きを外から覗きみることができる。ウォールナットやオークといった木材の板をランダムに折り重ねていくことで、板の間の襞 (ひだ) から優しい間接光を室内全体に拡散させている。壁面には生徒が座れるベンチや教材などを掲示する棚を配置し、人や物が美しく見えるようにさりげなく配慮している。外部に対して空間を閉じて分割するのではなく、「見る / 見られる」の関係を保ちながら同時に適切なプライバシーを確保する工夫により、インテリアデザインを超えて街の魅力を増幅させている。

インテリア設計：栗田祥弘、照明設計：三橋倫子
受賞歴：インテリアプランニング アワード2014