武蔵野美術大学 図書館

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日本デザインコンサルタント協会 (JDCA) レビュー

これから日本の建築界を代表する一人になると思われる藤本壮介氏が、地下1層 (書庫)、地上2層 (1階は美術・デザインの研究フロア、2階は学習フロア) からなる大学図書館設計を担当した。まず外観においては、建物をハーフミラーのフィルムが貼られたガラスで覆ったため、外の樹木が硝子に映り込んで、建物の存在感を消した建築手法が目に入る。そしてガラス面と一体化した本棚のような内壁はエントランスへとつながって、館内に入ると見渡す限りの壁という壁が全て天井までの本棚になっている。ただし本棚と言ってもほとんどの棚に本はなく、これらは本棚を模したシンボリックな木壁 (奥行きが浅い) なのだ。周囲の木壁と天井のトップライトから注ぐ自然光もあって、大空間ながら不思議と落ち着く空間になっている。動線計画は多少わかりにくい渦巻き状となっているが、それを補うように、佐藤卓氏のサイン計画によって、床の道標サインや図書分類を数字で示した巨大なサインがあらゆる場所に設置されている。また館内にはさりげなく世界の名作椅子が配置されているので、学生にとっての学習効果も高い。

建築設計:藤本壮介建築設計事務所、サイン計画:佐藤卓デザイン事務所、照明デザイン:シリウスライティングオフィス

推薦団体
施設名
武蔵野美術大学 図書館
住所
〒187-8505 東京都小平市小川町 1-736
電話番号
042-342-6004
竣工年
2010年3月1日
URL
http://mauml.musabi.ac.jp/library/

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