鈴木大拙館

東京デザインセンター (TDC) レビュー

父親の谷口吉郎の生まれ故郷である金沢と縁の深い谷口吉生の建築設計。台地から続く斜面の緑を背景に、石垣や水景などによって金沢を象徴する景観を創造している。設計コンセプトは、「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」を回廊で結ぶとともに、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」という、3つの棟と3つの庭からなる空間を回遊することによって、来館者が鈴木大拙の禅の思想にふれるというもの。ここでは一般の美術館やギャラリーと違って、どの展示品にも解説はおろかタイトルすら表示されていない。禅思想は個々の体験とその悟りにあると思えば、来館者それぞれが先入観に囚われず自由に空間を体感するこの手法は理に適っている。また浅く水が張られた庭の水盤に周囲の景色が映り込む様は、空間がどこまでも溶けだしていくようなイメージを創出する。

建築設計:谷口吉生 / 谷口建築設計研究所
受賞歴:石川建築賞 (平成23年)、金沢市都市美文化賞 (平成24年)、BCS賞 (平成27年)

推薦団体
施設名
鈴木大拙館
住所
〒920-0964 石川県金沢市本多町3丁目4番20号
電話番号
076-221-8011
竣工年
2011年10月
URL
http://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/index.html

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