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丹羽 浩之
NIWA Hiroyuki

略歴、プロフィール

空間デザイナー
商業施設士(登録番号36-10672)

 

東海高等学校卒。武蔵野美術大学建築学科卒。
ランドスケープ事務所・建築設計事務所を経てヴォイド設立。

 

名古屋、東京を主軸に、レストラン・ショールーム・オフィス・ショップ・モデルルーム・ホテル・福祉施設といった商業施設のほか、個人住宅など、幅広く設計・インテリアデザインを行なっている。またロゴなどのグラフィックやプロダクトを含むデザイン、ブランディングやコンサルティングまで、トータルに手掛る。

 

主な実績
CUCINA 大阪ショールーム (2023年)
GIKEN GROUP (2022年)
Rinnai Head Quarter (2021年)
箱根・強羅 佳ら久 (2020年)
LEXUS 昭和 (2019年)

実績、ケーススタディ

Rinnai Head Quarter

リンナイ株式会社の本社(愛知県名古屋市)1階のエントランス・ロビー、2階の国内・国外ショールーム、各会議スペースの空間全体のリニューアルの設計デザインを担当いたしました。

 

リンナイは2020年9月1日に創業100周年を迎え、次の100年の歩みへ結びつける周年事業として検討を開始。2021年の着手から各部署からのアイデアと議論を交わし、これからの目指すべき品質とブランドを体感できる空間としてリニューアル。
現在、リンナイグループは日本を含む20の国・地域に拠点を持ち、世界80ヶ国以上に商品を展開しています。それに伴い、一部のスペースでは海外商品も取り扱い、今後の幅広い事業展開と創業時からの歴史と想いも垣間見える空間となっております。

LEXUS 昭和

LEXUS昭和店はショールームリニューアル計画の中でも、最大規模。
エレベーターから2Fに上がり、入ってすぐお客様をお迎えするのは銘木で作られたカウンター。メイン通路の天井ルーバーをランダムに取り付け、特注の円形のペンダントライトを付けることで、奥に足を進めたくなる。奥のマッサージエリアは円型ドレープに仕切ることができる最もプライベート感の高いリラックス空間としている。窓側は真鍮製フレームの飾り棚とガラスフィルムで、外部からの視線を緩く仕切っている。お客様納車用のスペースは、住宅のリビング空間のような家具を配置して、車を眺めながらくつろぐことができる。隣のスペースはパウダー室を完備したモダンでPOPな要素も入れた女性やファミリー向けのラウンジスペースとしている。1Fにあるファミリーラウンジは床、天井、壁が曲線を交えて、ランダムに形成され、どこに座っても不思議な風景が目に入ってくるレイアウトとしている。空間の真ん中の不規則なアーチ巨大化したボタンオブジェが、子供だけでなく、大人にとっても好奇心を刺激する空間としている。

GIKEN GROUP

岐阜市にあるGIKEN GROUPの本社移転計画。
本社機能だけでなく、コワーキングスペース、レンタルオフィス、セミナールームを設け、社員が利用するだけでなく、行政、企業、学生などが活用し、多様なコミュニケーションを生む場を求められた。建物北側を3層、南側を2層のスキップフロアー構成とし、3層分ある吹抜に面して、1階コワーキング、2階レンタルオフィス、3階本社機能を配置し、それぞれが相互に影響を与え合いイノベーションが生まれる場を目指した。建物デザイン、照明計画もスキップフロアー構成をデザインモチーフとして壁・ガラスを配置し、地域に開いたファサードデザインとした。

名古屋木材

名古屋市内に建つオフィスビルの新築計画。
名古屋市の堀川沿いはかつて貯木場として栄え、水面には丸太が浮かべられ護岸には多くの木材がうず高く積み上げられていた。
近年では、鉄道や高速道路、ビルやマンションが立ち並び、均質な都市空間が広がりつつあるが、所々に古き面影を残すエリアである。
クライアント企業は古くからのこの地を拠点とし木材の流通を支えてきた老舗企業であり、本計画ではその歴史や土地の記憶が感じられる建築がふさわしいと考えた。
コンパクトな敷地の中で1階部分に駐車場を確保し、求められる与件を満たすため、1階は鉄骨ラーメン構造とし、鉄骨と木造のハイブリット構造3階建ての準耐火建築物とした。
木造となる2.3階は、住宅などでも用いられる汎用プレカットの技術を用いながら、木造準耐火や気積の大きな空間を実現させている。
外装には、積層する木材をイメージしたルーバーを設置、木材の耐久性に考慮しながら、かつての木場の面影が感じられるファサードとした。
また、このルーバーは、夏場の日射遮蔽の役割を果たし、建物省エネルギー化にも寄与している。
執務フロアはスキップフロア形式とし、日々の移動の中での堀川への視線の変化が感じられ、自社のルーツである堀川の風景が日常的に感じられる空間構成とした。
階段部分にはシンボリックな「光る木材」をイメージした特注照明も製作。
このオフィスを通して、働く人々が日常の中で自社のルーツや歴史が感じられ、より愛着が湧く建築を目指している。

Riverente

石垣の上の土蔵群と軒を連ねる町家、それらが建ち並んでいる四間道は名古屋市西区那古野エリアを堀川西側を南北に通る文字通り四間(7m)の古くからある商人町である。
そんな四間道の風情を活かした木造の建屋。その入り口は石板と流れる小川の風情ある細い路地を入った奥の2階に位置する「Riverente」はイタリアで修行された若きシェフが腕をふるう素材の味を大切にしたイタリアンレストラン。
建物内部の木造の梁材や小屋組をシックな色合いでそのまま活かし、天井レベル以下は様々な自然素材で様々な質感の艶消のダークレー色でまとめている。料理、そしてシェフとの会話を楽しみことに集中できるよう、できるだけ主張しないが、質の高い空気が流れるデザインとした。

JDCA journal

JDCA journal Vol.8 より

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